コラム 【秒読みに入った台湾侵攻】

秒読みに入った台湾侵攻

29日米国は11月1日から米国空軍が沖縄の嘉手納基地から撤退することが報道された。

現在、嘉手納基地には50機以上のF-15が展開していて東シナ海、台湾、日本の制空権を守備している。
この嘉手納から米軍の空軍が戦線をグアム基地、アラスカ基地に移すことになった。
なぜか報道ではあまり取り上げられないようである。

日本政府は当然この動きを知っており、米国からのミサイルシステムの導入を決定した様子だ。
おそらく日本政府はこの撤退に対応してミサイルシステムの導入を決定したものと思われる。
なぜなら公明党がミサイルシステムの導入に特に反対しなかったことがその証左となろう。

台湾は先日、領空侵犯を戦争行為とみなすと中国に通達していることからいよいよ台湾、日本は米国頼りの軍事プレゼンスは弱体化する。
これを中国、習近平政権がどのように見ているだろうか。
この時期の撤退は最悪の結果を引き出すのではないだろうか。

米国現政権のセンスのなさは今までもアフガン撤退、ウクライナへの軍事介入の否定など選択として最悪の選択をすることにかけては見事といえるほどの選択をしてきた。
米国現政権は、今回もおそらく最悪の選択をしたように思う。
もし仮にトランプ、安倍政権であったなら絶対にこの選択はしなかったであろう。
(そもそもこんな状態になっていないと思うが)またこの撤退は米国の台湾有事に際する意思表示ととらえるべきであって台湾で有事があった場合でも米国の直接介入はしませんと云うシグナルを中国側に送ったと云っていいものだ。
同時に日本、台湾はそのように受け取るべきであろう。
いまだ米軍は海兵隊を沖縄においてはいるものの、仮に台湾侵攻があったとしても海兵隊は動かないはずである。
なぜなら台湾のために米国軍人が死ぬことを米国世論が許さないからである。
その時に空軍が沖縄にいれば少なくとも制空権の確保のためにも積極的でないにしろ台湾に介入することが考えられたが、撤退ということになればそれも期待できないことになる。

台湾の危機感は相当のものであろう。ところがわが日本はケチケチ財務省に振り回され今まで防衛費に含まれなかった海上保安庁の予算を付け替えるようなごまかし防衛費増額を押し通そうとしている体たらくである。
これで国民の命や財産を守れるのだろうか。
甚だ疑問である。

一方、中国共産党、習近平の事情もある胡錦涛を大会から追い出し、団派を政権中枢から排除した習近平は、自らを神格化するために狂信的な行動をとることが予測されている。

少なくともこの第3期の主席就任中に間違いなく台湾侵攻をする。

それは大会前の発言でも、台湾は核心的利益であると発言し同時に武力を使うことを排除しないと宣言している。
これを話し合いで解決すると理解するバカはどこにもいない。
ではあとは時期の問題だけである。

米国、日本の状況をみると米国は11月8日に上院、下院の中間選挙を迎える。お
そらく共和党が躍進することが云われている。
上院、下院ともに共和党が勝つ可能性がかなり高いとみている。
そうなるとバイデン政権はレイムダック状態になる。
政治的混乱が起きるであろうことは間違いない。
場合によってはバイデン自身の弾劾にもつながりかねない。
弾劾後にカマラ・ハリスが大統領になることからあまりに米国にとってのリスクが高いので弾劾できないとみる筋もあるほどだ。
2024年の大統領選にはトランプが返り咲くとの見方もあり、習近平にとってはトランプよりバイデンが組し易いと考えるであろう。

日本はどうだろうか安倍長期政権が倒れ、また毎年首相が代わるパターンに戻りつつある。
ついこの間までは花の3年間などとはしゃいでいた筋は、辞任ドミノが始まりそうでとても地元で開く広島サミットまで持たない雰囲気になってきている。
つまり習近平から見た場合、米国も日本も政治的な混乱が近いうちに始まるであろうことが予想できる時、何を考えるか自明であろう。

よって米国のブリンケンが中国の台湾侵攻の時期は早まりつつあるとの発言になる。
私は早ければ来年の春までに台湾侵攻が起きるとみる。
戦争で人が死ぬことは御免であるが避けて通れない選択が迫っているように思う。
ぜひ、話し合いで解決できるものなら解決して欲しいものである。

 

令和4年10月30日執筆

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