特集 【第三次世界大戦は起きる】第13回

迫ってきた戦争の足音 (上)

安倍元首相の暗殺に日本、世界が動揺していたこの2週間前後に世界では様々な動きが起きていました。
ざっと主な動きを書き出すと、

  • 6月28日             NATO即応部隊の増強 4万人態勢から30万人態勢
  • 同日             トルコがフィンランド、スウェーデンのNATO加入承認
  • 7月3日           フランス内閣総辞職
  • 7日              イギリス、ジョンソン首相辞任
  • 13日~16日 アメリカ、バイデン大統領中東訪問
  • 19日               トルコ、ロシア、イラン3首脳会議
  • 21日               イタリア ドラギ首相辞任

他にもオランダのデモ、カナダのトルドー首相も政権運営に困難が生じています。

ウクライナにおいては東部戦線から南部戦線において膠着状態で、アメリカから高度ミサイルシステム(HIMARS)が導入され、比較的優勢であったロシアが兵站(武器の輸送等、補給関係)への攻撃を受け、アメリカの分析では2週間程度でロシアの前線の弾薬が不足し攻撃が一旦止まる予想も出ています。

ドイツではノルドストリーム1のガスが定期点検で止まっており、ショルツ首相も政権運営に行き詰まりそうです。

東ヨーロッパだけではなくイラン、イラク、シリアにいるクルド人に対するトルコによる攻撃の動きもあり、西アジアにおいても紛争が起きそうです。

世界全体でみると食料、エネルギー危機、国家の経済破綻(レバノン、スリランカ)…この経済破綻には続く国が7か国から9か国に上ると云われています。
ヨーロッパ・アメリカをはじめとする先進国の多くはインフレ率が高まっており、アメリカは消費者物価が9.1%の上昇を記録し、バイデン大統領があわてて仲の悪いサウジアラビアに出向いて石油の増産を求めています。(相手にされなかったようですが)
多くの国がインフレ、エネルギー確保などで国内情勢が不安定になっており、混乱の度合を増してきているようです。

今回は特にトルコのフィンランド・スウェーデンのNATO加入承認から、トルコ・ロシア・イランの3首脳会談への動きは、ウクライナの問題を西アジアから中東まで拡大させる懸念が強いので詳しく書いていきます。
今回のロシアによるウクライナ侵攻は、東ヨーロッパの国々には大きな動揺を巻き起こしました。
特にロシアと国境を接する国にとっては非常に大きな脅威と映りました。
フィンランドは第2次世界大戦においても戦場となった関係から常にロシアの脅威を感じていましたが、ロシアを刺激しないようにNATOにもワルシャワ条約機構にも属さず、中立国として戦後独自の防衛力を維持してきました。
スウェーデンも同じです。
しかし今回のウクライナ侵攻を見てロシアの覇権主義が、今後自分たちに向かうと恐怖を感じたことは間違いありません。
そこでフィンランドとスウェーデンはロシアのウクライナ侵攻後NATOの加盟を申請することにしました。
NATOに加入することで同盟国として安全保障を担保することを考えたわけです。
(下に続く…)

令和4年7月25日執筆

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